そもそも筋膜って何?⑦〜生涯の健康のために
筋骨格の故障の原因の一つに「体の意識がない」ということがあり得ます。 使いすぎ、使わなさすぎ、間違った使い方といった理由から生まれた盲点に、体は痛めつけられています。体の盲点でコーディネーションがなくなり、動きの混乱を引き起こします。怪我をすると体を思い通りにちゃんと動かすことが出来なくなりますよね。脳が感覚神経からの信号を受け取ることで私たちは体を動かすことができるのです。脳が神経から情報を正しく受け取る能力のことを固有受容性感覚と呼びます。固有受容性感覚は訓練によって研ぎ澄まさせることができ、生涯健康を保つために非常に重要です。
固有受容性感覚:体の感覚で体内のGPSシステムのようなもの。体のポジション、位置、配置、その部位の動きを察知する能力のこと。
平均台の体操選手、サーカスで綱渡りをする曲芸師、または重力に逆らったポーズを決めるヨギー。これらのアスリートたちは、揺るぎのない精密性で動いています。彼らのすべての細胞はオーケストラのように共に働き、意志と目的に満ち溢れています。静止している時も動いている時も、神経を研ぎ澄まして体を感じ、パフォーマンスを改善させるためには 練習の繰り返し、集中、忍耐力が大切です。これこそがエンボディメント(体現)であり、私はこれをエンボディマップと呼んでいます。
エンボディマップ:静止と動きの中で自分の体の部位と配置の相互関係を察知する感覚。内側の受容感覚器への鋭い自己認識のこと。
ほとんどの人が自分の体とエンボディマップを理解せずに、いきなり体を動かして数週間後に怪我をしてしまうーというのがフィットネスの世界の実態です。どんな運動を始めるにせよ、 ロールモデルのボールを使って体系的に体を動かす準備をすれば、固有受容性感覚を高めることができるのです。しかし自分の体の盲点が盲目であり続ける限り、同じ問題を繰り返すことになり、やがて運動を続けることができなくなってしまうのです。ボールが神経を刺激し、体の位置を脳に正しく伝達してくれるので、身体が理想的なアラインメントにあるかどうか感じ、特定の運動における正しい体の位置を選択できるようになリます。エンボデイマップの感覚は繰り返す練習でさらに鋭くなり、動きに適応しやすくなるのです。こうして体はより丈夫で機敏になって行くでしょう。ワークアウトの時、この言葉を忘れないでください。「エクササイズ時の姿勢の良さから、エクササイズ後の素晴らしい姿勢が生まれる」
より優れたロールモデル(お手本)となるためには自分の体のマッピングができなければいけません。それはさしずめゴム製のメスで体の奥を探るような感覚です。固有受容受容性感覚を覚醒させるために自分の体の地図を作りましょう。エンボディマップを作るためにはまず、ボールを使って体の奥を触診し、 その奥深い感覚を一日を通した体の動きに取り入れていくことです。これには練習が必要です:ブログを読んでいるだけではわかりません。毎日ボールを使って自分をいたわり、体の深部を感じる練習をしましょう。ロールモデルの指導者からボールシークエンスを習って筋肉や骨の位置を知り、アナトミーの微細な感覚を学んだ後は、新たなボールの使い方で自分を癒し、リラックスさせる方法を編み出していくことができるようになるでしょう。
脳が感覚神経からの信号を受け取ることを助けための筋膜への刺激。そしてそれは筋骨格を故障から守るだけでなく、健全な神経系を育むことにも寄与するということを知れて大変勉強になります。ゴム製のメスでカラダの奥を探るような感覚というのがとてもイメージしやすい表現だなと思いました。何も意識せずに毎日を送っているだけだと身体の中には盲点が増えていくということで、やっかいで手のかかる自分のカラダと上手に付き合っていくために、正しい知識をつけて練習を重ねていきたいと思います。
ボールを使うことで固有受容感覚が刺激される。首や肩、腰などは不調を自分で感じやすいけど、脛や前腕、内腿などはボールを当てて初めて気づく痛みがあります。え、こんなところが痛いって!?と私自身もビックリしました。
ヨガをやってるから大丈夫ではなかった。。。毎日筋膜リリースをして体と向き合っていると、セルフケアなしで運動をするなんてあり得ないし恐ろしいことだなと感じます。
痩せたい、運動不足だから、などの理由で突然運動を始める人が多いですが、お願いだからやめてって思います。
でもそのような人たちは自分の体をわかっていないから仕方がないのでしょう、そしてそういう方達は全く長続きしない。
または体が痛いのに続けてたりします。
セルフケアの重要性をもっと広げていきたいです。
エンボディマップ-とてもわかります。昔ダンサーとして舞台に立ってたとき演目の音楽をきくだけでステップで使われる筋肉に力が入りました。自分の身体を守るためなのはもちろんその経験を生かして生徒さんたちにより安全にわかりやすく説明できるように、そして時間をかけてじっくりと練習できる環境を作るため励んでいきたいです。