知らなかった!腰痛の原因 Part1―多裂筋

 

腰痛を経験したことがない!という人にあまり出会ったことがありません。そのくらい、人類永遠の課題といえる、腰。この腰痛の原因のなり得る筋肉はたくさんありますが、きょうはその中でも、あまり聞き覚えのない多裂筋のお話。

 

多裂筋ってなんでしょう?一体どこにあるのでしょうか?これは、脊柱起立筋の奥、背骨に沿ってある、インナーマッスルです。

この図を見てもわかるように、首(頸椎3番)からはじまって仙骨まで繋がっている、長くて力強い、コードのような筋肉なのです。背骨を触ると、背骨の脇に溝があるのがわかりますよね?これが多裂筋です。また仙骨の上を触ると、仙骨を覆っている多裂筋に触れることができます。背骨全体の椎間板に巻き付いた、まるでコルセットのような構造と思ってください。

 

多裂筋の浅部が立つときに背骨をまっすぐにし、深部が背骨を安定してくれるのです。例えば、しゃがんで物を拾う時に、背骨を守るために一番先に働いてくれるのが、多裂筋です。

 

多裂筋の作用を理解しましょう。片側の多裂筋が収縮すると、体を同じ側に側屈(片側に倒す)させます。また両側が一緒に働くと、背骨を伸展(上にストレッチ)させてくれます。

        背骨の側屈                       背骨の伸展                                                       

       

体を捻るときに背骨の屈曲(背中が丸くなる)を防いで、伸ばして引き上げてくれるのが多裂筋です。

 

立っている時、前屈している時、捻っている時、歩いている時、物を拾い上げる時に多裂筋が使われます。また、前屈か後屈をしながら同時に側屈をするときにも使われます。

 

つまり、一日中、背骨を安定させてくれているのが、多裂筋なのです。

 

ヨガのキャットカウのポーズで、背骨ひとつひとつを動かすことができていますか?コアと背骨のバランスがとれていれば、多裂筋はよく働いている、と言えます。ヨガチューナップ®ではこのポーズを「背骨のうねり」と呼び、バランスの良い、健康的で腰に良い動き方を指導しています。

多裂筋の動きが部分的に悪いと、背骨の一部がロックされて、サポートを失ってしまうのです。

 

背骨に怪我をしたとします。たとえ怪我が回復して、痛みがなく、普通の生活に戻れたとしても、背骨はロックされてしまうことが多いのです。事故の結果、多裂筋と、深部のコアの筋肉、腹横筋の動きが制限されるからです。私自身、30年前の事故でロックしてしまった腰を、長年時間をかけ、YTUボールの筋膜リリース、ヨガチューナップのエクササイズで克服することができました。(YouTubeチャンネルも是非ご覧ください。)

 

筋肉の収縮を起こす、多裂筋のサルコメア(筋の節)は他の筋肉に比べてとても小さいのです。筋肉は通常はストレッチをすると弱化するものですが、多裂筋に限っては、ストレッチで強化することができる、というとてもユニークな特性があります。

多裂筋のメカニズムを理解して、正しく前屈と後屈を行い、痛みのない腰を取り戻しましょう!

 

 

10 thoughts on “知らなかった!腰痛の原因 Part1―多裂筋

  1. 末光 多美江 より:

    「フラットバック(背骨のうねり)」とはポジションが同じの、ヨガでも行うキャット&カウとは全然違いますね。
    初めて教えていただいた時は仙骨、腰椎、胸椎、首、頭 の順番で意識してうねらせていくことが中々できなかったのですが、これからアナトミーの猛勉強がはじまるので、多裂筋のことも覚えて意識しながらやっていきます。

  2. 石井 智恵 より:

    常日頃から腰の痛みや背中の張り痛感していました。キャットカウのポーズから、この様な
    うねりをバネの様に胸椎腰椎の骨がしなやかに曲がれる事に驚きでした。何度と練習をしつつ固く広がらない背筋。胸椎の棘突起。腰椎の固さがよく解りました。このストレッチを継続して行い背骨を1つずつの骨を柔軟性を持たせ疲労を感じない身体造りに努めたいと感じました。

  3. 清水玲子 より:

    私は、どちらかというとフラットバック気味な上に、過去の怪我の後遺症により腰痛持ちでした。(今はだいぶ軽減しました)
    ですので、多裂筋と腰痛の関係は以前から知っていました。しかし、深層筋の為、どのようにアプローチをして良いのか模索をしていました。
    動画にあるように、アプローチをしていけば、確かに多裂筋がよく働き、腰痛の軽減になる!と改めて学ばせていただきました。

  4. hikaru.k より:

    脊柱を動かす時に動きが悪い原因に多裂筋が関与しているとは思いませんでした。
    腰方形筋や体側の伸び間が足りない事が原因と考えていたので少し多裂筋を意識して
    動きを出すために少し屈曲や回旋の動きも取り入れてみようかと思います。
    ピラティスのエクササイズの中にも屈曲や回旋の準備運動があるのでうまく取り入れてみようかと思います。

  5. KAORI より:

    以前腰が痛い時に、首の後ろをYTUボールでリリースしたら、楽になった事がありました。この記事を読んでみて、立ち仕事からくる腰痛だったので、あの時は多裂筋にも疲れが溜まりロックされていたのかもしれないと感じました。ロックして固めてなんとか支えていた状態だったので、そんな時にはキャット&カウで背骨ひとつひとつを動かしてみようと思います。

  6. あんり より:

    小さい時から背骨の屈曲が苦手で(現在もですが少しずつ腹筋の強化のおかげで良くなってきました!)ピラティスのロールアップやショルダースタンドをするたびに腰を痛めていました。これからも多裂筋を意識しながらうねりの練習を続けたいと思います。

  7. sakura.u より:

    多裂筋が背骨の動きの側屈、伸展、屈曲、捻りに関わってるんだと学びました。1日中背骨を安定させてくれる大事な筋肉になるので、腰痛に悩んでいる人は、この多裂筋の強化とストレッチが大切だと思いました。
    ヨガチューナップの背骨のうなりでは、仙骨から頭までの部位を動かすので、自分自身で部位のイメージを持つことができるようになり、身体の理解が深まりやすいなと思いました。
    丁寧に少しづつ動かす動きで、いつものヨガよりもじっくり身体を意識することができます。
    慌てて動く必要も無いし、上手くやる必要も無いし、自分の身体から今の状態を学ぶ時間になりました。

  8. Chika より:

    多裂筋お疲れなんですね。腰が痛いときは腰方形筋がゴリゴリな感じが強いですが、さらに深い部分にも疲労は溜まっているんですね。
    背骨のうねりは、難しくて練習が必要だなぁと養成講座でも感じました。
    仙骨を動かす、というより仙骨の多裂筋を動かすことを意識してやってみようと思いました。

  9. Chiaki より:

    多裂筋を自身で感じるのは難しい感じですが、
    奇麗なS字カーブの背中&姿勢を維持するにはとても大切な筋肉なのですね。
    職業柄、人の椎骨を一つ一つ丁寧に触らせていただくことが多いのですが、
    椎骨と椎骨の間スペースは本当に千差万別で、かなりロックがかかったようになっている方も多く見受けられます。
    椎骨だけを意識するのではなく、椎骨に付随する多裂筋をイメージしなかがら「背骨のうねり」
    を実践すると更に効果があるなと感じます。
    良く働く多裂筋を目指します!

  10. Satomi KAWASHIMA より:

    多裂筋は脊柱起立筋とは違い、腰椎や胸椎の骨ひとつひとつを繋いでいる。腹直筋や外腹斜筋、内腹斜筋、脊柱起立筋のような表層の筋肉は身体を動かすために大きな力を発揮する。一方、腹横筋や多裂筋のような深部の筋肉は大きな力は発揮しない代わりに、背骨を安定させるための機能を果たしているとされている。―同じような場所にあっても、浅部と深部で、骨への接続の仕方によって大きく役目が異なります。身体って本当に巧妙にできているなあと思います。動かすのと支えるの、両方必要で両方大切です。人間も同じ。さて、私はどちらのタイプでどちらの役割の方が得意なのか・・・そんなことを考えました。

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